電気料金は、契約するプランによって大きく変わります。一般的なプランとしては、従量電灯プランとオール電化プランなどの時間帯別電灯がありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか? 今回は、従量電灯プランと時間帯別電灯プランの違いとメリット・デメリットとどちらを選択すべきかについて紹介します。
従量電灯とは?
従量電灯とは、電気の使用量に応じて電気料金が決まるプランです。24時間同じ単価で電気を使うことができますが、使用量が多くなるほど単価が高くなります。
従量電灯のメリット・デメリット
従量電灯のメリットは、時間帯に関係なく電気を使えることです。昼間も夜間も同じ単価で電気を使えるので、自分の生活リズムに合わせて電気を使うことができます。また、基本料金が安いのも魅力です。さらに燃料調整費の上限があることにより燃料費が上がっても急激に価格が上がりにくいです。実際に2022年は急激に燃料価格が上がったことから、従量電灯以外のプランでは急激に価格が上がっていました。
従量電灯のデメリットは、使用量が多くなると単価が高くなることです。特に、冬場や夏場の暖房や冷房などの電気使用量が多い時期は、電気料金が高額になります。また、電気の使用量によっては、他のプランよりも割高になる可能性もあります。
時間帯別電灯プランとは?
時間帯別電灯プランとは、時間帯によって電気料金の単価が異なるプランです。オール電化プランとして紹介されるものもあります。夜間の時間帯に限って電気料金が安くなりますが、昼間の時間帯は電気料金が高くなります。時間帯別電灯プランには、2時間帯別電灯と3時間帯別電灯があります。2時間帯別電灯は、昼間と夜間の2つの時間帯に分かれています。3時間帯別電灯は、昼間、夕方、夜間の3つの時間帯に分かれています。各電力会社によって、時間帯別電灯プランの名称や時間帯の設定が異なります。
時間帯別電灯プランのメリット・デメリット
時間帯別電灯プランのメリットは、夜間の電気料金が安いことです。従量電灯と比べると、半額以下の単価で電気を使うことができます。そのため、夜間に電気を多く使う場合や、エコキュートなどを利用する場合は、電気料金を節約できます。
時間帯別電灯プランのデメリットは、昼間の電気料金が高いことです。従量電灯と比べると、単価が約1.5倍になります。そのため、昼間に電気を多く使う場合や、休日に家にいる場合は、電気料金が高額になります。また、基本料金が高いことや、時間帯別電灯プランに対応していない電化製品があることもデメリットです。さらに、燃料調整費の上限がないため、燃料価格が上がると価格が急激に上がることがあります。
従量電灯と時間帯別電灯プランはどちらがお得か?
従量電灯と時間帯別電灯プランは、それぞれメリット・デメリットがあります。どちらがお得かは、電気の使用量や使用時間帯によって異なります。一般的には、以下のような場合は従量電灯、以下のような場合は時間帯別電灯プランがおすすめです。
従量電灯がおすすめな場合
・電気の使用量が少ない場合
・昼間に電気を多く使う場合
・エコキュートを使わない場合(またはソーラー発電で沸かす場合)
時間帯別電灯プランがおすすめな場合
・電気の使用量が多い場合
・夜間と深夜に電気を多く使う場合
・エコキュートを使う場合
一般的にはオール電化の場合電気の使用料が多いため、時間帯別電灯プランがお得です。しかし、最近ソーラー発電を設置した場合や、ソーラー発電と蓄電池を両方設置している場合、従量電灯の方が安くなります。
その要因として、
1. ソーラーの売電価格が低下し、深夜電力は値上がりしているため、ソーラー発電のよる電力のほうが割安になっており、
売電価格 < 深夜電力価格 + 再エネ賦課金 + 燃料調整費
となっている場合が多く自家消費したほうがお得になります。
2. 従量電灯以外は燃料調整費の上限がなく、上限を超えている2022年2月以降は時間帯別電灯プランのほうが燃料調整費が安くなっています。差が大きいときでは1kwhあたり8.6円もの差があり、燃料費に影響を受け大きく変動してしまいます。
従量電灯であっても新電力会社の場合は燃料費の上限がない場合が多いので、燃料費の高い近年の燃料費の高い時期は旧電力会社の方がお得になる可能性が高いです。
オール電化で、ソーラー発電と蓄電池を設置しているわが家では、はじめは時間帯別プランでしたが旧電力会社の従量電灯プランにしています。エコキュートを太陽の出ている昼間に沸かすことで、買う電気を減らし電気代をかなり抑えられています。
夏の場合、オール電化、全館24時間冷房の状態でも電気代1000円を切っていました。時間帯別プランでは、基本料金が2000円以上することから電気使用量が少ない場合は不利になります。
従量電灯プランであれば昼間でも料金が同じため時間帯を気にせず生活できることで余計なことを考える必要がなくなり快適になります。
具体的にどれくらいの電気使用量でどちらのプランがお得になるかというのを関西電力圏の場合でシミュレーションしてみました。時間帯別のプランでは、オール電化向けのはぴeみる電Rプランを適用しています。使用する時間帯により料金が異なることから、深夜9割、夜間(リビングタイム)1割使用のほとんどを深夜電力でまかなう場合と、深夜5割、夜間5割使用の場合で計算しています。燃料調整費は2023年12月分を反映しています。
グラフから従量電灯と深夜電力9割で生活するはぴeタイムRでの分岐点は320kWh程度で、生活時間帯に5割電気を使う場合と比較すると分岐点は430kWh程度となります。
わが家の場合、延床面積約100m2、オール電化、夏は24時間冷房、冬は24時間床暖房、洗濯乾燥機使用の条件ですが、春で50kWh、夏で140kwh、冬は430kwh程度がピークとなっており、年間を通して従量電灯の方がお得になっています。これは、昼間にソーラー発電の電気でエコキュートを沸かしたり蓄電池へ充電することで電気使用量を抑えているため従量電灯のほうがお得となっています。
まとめ
従量電灯と時間帯別電灯(オール電化)プランは、それぞれ特徴が異なる電気料金プランです。自分の電気の使用パターンに合わせて、最適なプランを選ぶことが大切です。特にソーラー発電や蓄電池を設置している場合は、従量電灯の方が安いことがあります。ぜひ電気使用量や自宅の条件に合わせてプランを考えてみてください。
エコキュートを昼間に沸かす設定方法については今後ご紹介します。
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