今回は一条工務店の太陽光発電システムについて興味を持っている方へ向けて、その特徴を紹介していきます。
一条工務店は太陽光発電の搭載を早くから推し進めており、最近では屋根全体へ太陽光発電パネルを敷き詰め、大容量の発電ができるような設計としています。太陽光発電システムには、さまざまなメリットがありますが、今回は一条工務店の太陽光発電システムの特徴を3つご紹介します。
屋根一体型太陽光パネル
一条工務店の太陽光パネルは、屋根と一体化しています。これにより、太陽光の当たるスペースを無駄なく発電に利用することができ大容量の発電が可能となっています。
太陽光パネルは表面がガラスでできているため、耐久性が心配な方もおられるかと思います。しかし、太陽光パネルに使用されている強化ガラスはかなり高い強度を有しており、20年以上の屋外設置を想定しているため、通常の屋根材と比較してもより優れた耐久性・防火性があります。
デザイン性についても建材一体型が優れています。従来は屋根の上の一部に乗せるため、太陽光パネルが目立ってしまいますが、屋根全体が太陽光パネルとなるため屋根の統一感があります。
また、一条工務店では自社グループ工場で生産しているため、発電容量当たりの価格が低くなっています。本来であれば、太陽光発電を導入する際には、他社品のものと価格や性能を比較するべきですが、価格では相場より低い価格となっているため、コストメリットは大きいです。
大容量太陽光発電パネル
一条工務店では、屋根全体を太陽光発電パネルとできることから、大容量の太陽光発電を導入することができます。家庭用では、3kWから6kWの発電容量を搭載するのが一般的ですが、一条工務店では多くの家で10kW以上の太陽光パネルを搭載します。
大容量のメリットとしては、家で使用する多くの電力を太陽光発電で賄うことができるようになります。一条工務店では、基本的には蓄電池とセットで導入するため、昼間に余剰電力を蓄電しておくことで夜間に使用することができるようになります。
使用電力量を最低限にすることで、一日中電力を使用できるようになることから、災害対策としてのメリットがあります。
また、10kW程度の大容量であれば、発電量の小さい曇りや少雨でもある程度の発電ができることから、完全に発電量のないことが少なくなります。
導入する際に考慮するべきこと
固定資産税が高くなる
建材一体型の太陽光発電システムは、固定資産としてカウントされるため、屋根の上に後付けした太陽電池よりも固定資産税が高くなります。ただ上記のメリットを考慮するとそこまで大きなデメリットではないと感じています。気になる方はトータルでどれくらいかかるか計算して比較してみるとよいでしょう。
発電容量10kWを超えると売電価格(FIT)が下がる
設置する発電容量が10kWを超えると、固定買取制度(FIT)の売電価格が下がります。詳しくは資源エネルギー庁のHPを参照していただければでてきますが、2023年度は、10kW未満ですと17円/kW、10kW以上は11円/kWとなっています。売電期間も変わってきますが、短期間で太陽光発電システムの導入費用を回収したい場合は、10kW未満にしておいたほうが無難です。
一条工務店では、10kWの発電容量のパネルを設置していても、電力を変化するためのパワーコンディショナーを9.9kWにすることで、10kW未満の売電価格にすることができます。例えば12.5kWの太陽光発電パネルと9.9kWのパワーコンディショナーを設置することで10kW未満が適用されます。
この場合、10kWをオーバーした太陽光発電容量がもったいない気がしますが、太陽光パネルが規格の容量をフルで発電できる時期は限られているので、大幅にオーバーしていなければパワーコンディショナーの容量を下げて、売電価格を上げたほうが良いです。
価格について
一条工務店では、自社製の太陽光発電パネルを使用しているため、他社品の導入を検討する場合は通常の屋根にして、後付けで乗せる必要があります。その場合、工事費を含めて割高になるため、実際には一条工務店のパネルを乗せるか載せないかの2択になってしまいます。
それでは他社品と比較して価格的にはどうかということについて考えてみます。
太陽光発電システムは、発電容量単価(円/kW)で通常比較されます。この単価は年々低下してきており、2023年では21~26万円/kWが多いようです。太陽電池のメーカーや種類によっても変わってきますが、安くても21万円/kWとなっています。
一方で、一条工務店の太陽光発電システムの価格は、積載容量にもよりますが18~20万円/kWで、さらに7kWhの蓄電池(通常設置で70~100万円)がセットとなっています。坪単価に入っているはずの屋根材の減額分を考慮する必要がありますが、無理に他社品を乗せるよりかは低コストで太陽光発電システムを導入できます。
ちなみに一条工務店の太陽電池は、十年近く前は薄膜Si型太陽電池を用いられていたようですが、最近のものでは変換効率から考えると、他メーカーでも一般的な、結晶Si型のPERC型太陽電池が使用されていると思われます。
まとめ
一条工務店の太陽光発電システムについて紹介してきました。建材一体型で大容量の太陽光発電システムを導入できることから、メリットの大きいオプションであると思います。導入に当たっては考慮するべきこともいくつかありますが、検討する価値はあります。
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