一条工務店のグランセゾンとi-smart
一条工務店が提供する2つの人気モデル、グランセゾンとi-smartは、それぞれ独自の特徴を持ち、採用された方々の間で高い評価を受けています。グランセゾンは高い設計自由度とデザインの魅力で知られ、一方のi-smartはその優れた性能とコストパフォーマンスで注目されています。この記事では、両モデルの主要な違いを詳細に比較し、検討されている方が最適な選択をするための情報を提供します。
在来軸組工法と2×6工法の違い
グランセゾンとi-smartの大きな違いの一つは、採用されている建築工法です。グランセゾンは日本の伝統的な「在来軸組工法」を採用しており、柱や梁を使って家を支える方法です。これに対し、i-smartは「2×6工法」を用いており、分厚い壁で家を支える仕組みとなっています。
グランセゾンの在来軸組工法は間取りの自由度が高い反面、耐震性は2×6工法に劣るとされています。一方で、i-smartの2×6工法は高い気密性・断熱性を誇り、耐震性にも優れていますが、間取りに制約が多くなります。
建築方法の違いから、i-smartは、組み立て済みの資材を大型のトラックで輸送する必要があるため、建築予定地の道路が狭い場合や、駐車場所がない場合は選択することはできません。
どちらも選択できる場合は、デザインの自由度と建物の性能のどちらを重視するかによって決めることになるかと思います。
断熱材とQ値の比較
グランセゾンとi-smart間での断熱性能の比較では、i-smartが優れています。グランセゾンではEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を使い、断熱性の指標であるQ値(熱損失係数)は0.98です。一方で、i-smartは硬質ウレタンフォームを断熱材として用い、より低いQ値0.51を実現しています。Q値が低ければ低いほど断熱性能が高いため、より効率的なエネルギー利用が可能になります。
C値(気密性)やUa値(熱通貫率)もi-smartのほうが低いため、断熱性能や気密性が優れていることがわかります。
デザインと標準仕様の違い
デザインと標準仕様に関しては、グランセゾンが高い評価を受けています。グランセゾンはモクリアフローリングやハイドロテクトタイル、グレイス設備など、洗練されたデザイン要素が標準仕様として含まれています。特にデザインルーバーや木目調の軒天など、細部にまでこだわりが見られる点がグランセゾンの特徴です。また1Fの天井高が2650㎜と高くi-smartの2400mmと比較して解放感があります。
i-smartではこれらの要素がオプションとなることが多く、グランスマートというグランセゾンの住設を採用できる仕様も出てきていますが、坪単価はさらに上がることになります。
基本的なオプションは両者で採用できますが、床冷房であるさらぽかは断熱性の高いi-smartのみの採用となっています。
価格比較とコストパフォーマンス
価格面で見ると、グランセゾンはi-smartよりも高価ですが、その価格に見合うだけのデザインと設備を提供しています。グランセゾンの特徴は、標準仕様の豊富さにあり、追加のオプションによる費用増が少ないことです。一方、i-smartはよりコストパフォーマンスがよく、必要に応じて機能を選択することでコストを抑えることが可能です。
主な違いを下記表にまとめています。
グランセゾン | i-smart | |
坪単価 | 77-78万円 | 73-75万円 |
30坪 | 2770万円 | 2700万円 |
40坪 | 3530万円 | 3440万円 |
工法 | 木造軸組 | 枠組み壁工法2×6 |
断熱材 | EPS | 硬質ウレタンフォーム |
Q値 | 0.98 | 0.51 |
C値 | 0.61 | 0.59 |
Ua値 | 0.31 | 0.25 |
さらぽか | × | ◯ |
うるケア | ◯ | ◯ |
ロスガード90 | ◯ | ◯ |
ハイドロテクトタイル | ◯ | ◯ |
木目調軒天 | ◯ | × |
パラペットルーフ | ◯ | × |
床材 | モクリア | EBコートフローリング |
天井高1F | 2650mm | 2400mm |
天井高2F | 2500mm | 2400mm |
グランセゾンでの体験
我が家も初めはi-smartを検討しており、宿泊体験等も行きました。しかし、家の前の道幅が狭いこともあり、確実に建設できるグランセゾンも検討し始めました。結果として間取りの自由度や住設が魅力がありグランセゾンを選択しました。
グランセゾンで暮らしてみて、良かったと感じていることは、やはり床材や住設などが高質なものになっており、天井高も高いことで解放感があることです。オープン階段の勾配が緩やかで、i-smartと比較して上りやすくなっているのも良かったです。
断熱性能については、比較はできませんが、冬は24時間床暖房、夏は24時間エアコン1台冷房で賄うことができ、太陽光発電のおかげもあり、電気代は一番高い時期でも7000円以下で賄うことができています。
まとめ
グランセゾンは建築の自由度がi-smartより高いですが、i-smartのほうが住宅としての耐震性能・断熱性能は優れています。
とはいえ、グランセゾンでも他のハウスメーカーと比較した場合は十分な耐震性能と断熱性能は有しています。そのため、グランセゾンで選択できる住設や間取りの自由度に魅力がある方はグランセゾンを選択するのがよいと思います。一方で性能を重視したい方は、やはりi-smartを選択するのがよいと思います。
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